付録

[設定編] 登場人物など(ネタバレあり)

登場人物の紹介と作者の勝手メモ。
読みにくいかもしれませんが、あくまでも付録…ということでご容赦くださいませ。
ちょっとだけイメージ注意。


 

[登場人物]

多分、登場順に記載しています。
ネタバレしておりますので、恐れ入りますが小話含めて読了した方のみご覧ください。
※は名前の由来や設定裏話など。

■坂野 葉月
八尾課長の部下。仕事は出来るがあまり表情が豊かではない。
面倒見がいいので後輩には人気。ただし、いいように使われるという一面もあり。好きな男からの押しに弱い。犬とロールケーキとマカロンとソイラテが好き。
※名前の由来は、魔王の妻→月の神→ツクヨミ…というわけで、「月」という漢字を使用。苗字は日本の神話を調べていたときに「坂上田村麻呂」とあったので、そこから「さかの」です。別に田村麻呂は関係ないです。 「お胸の形がとても綺麗」などと訳の分からないメモが残っていましたが、大概ヒロインのお胸の形は綺麗です。

■八尾 高司 (ルチーフェロ)
33歳課長
海外帰国組エリート3人衆のリーダー。葉月の上司。実は魔界から花嫁探しにやってきた魔王ルチーフェロ。
眼鏡の似合うイケメンだが、葉月の前だとすごくヘタレ。ヘタレのクセに魔王だから強引なので、とても性質が悪い。魔王なので仕事は出来るのでさらに性質が悪い。その上ええかっこしいなので(以下略)暴走しがちなときは変態に見えるが、葉月大好き。本性は、浅黒い肌に2対の翼と1対のコウモリ羽。あと髪が伸びる。
※会社用の眼鏡は999.9のS-110Tがモデル。休日はalain mikliの太フレームとかがいいかも。名前の由来は「ルシフェル」のイタリア語読みで「ルチーフェロ」です。ダンテの『神曲』あたりを参考。日本語名は「ヤマタノオロチ」からなんとなく「八尾」。これでも魔界で一番強い魔力を持っているのに、なんでこんなにヘタレで犬っぽくなったのか謎。でも一番謎なのが人間の時の年齢設定が33歳というあたり。

※「002.前からと後ろからと」でボツになった流れに、こんなのがありました。

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葉月はどっちが好みだろう。後ろからと、前から。切れ長の瞳をさらに細めながら、クールな横顔でそんなことを考えていると、洗いものを終えた葉月が手に何かを持って振り返った。

「課長はどれがいいですか?」
「前からが。」
「はい?」
「どちらでも構わないが、前からのほうが眺めがいい。だが、この場合は立って後ろから…。」
「課長。」

怪訝そうな葉月の表情も悪くないなと思っていると、葉月が手に持った何かをずずいと差し出してゆっくり、小さい子供に言い聞かせるように丁寧に言った。

「前後ではなく、この…マカロン、どの味がよいですか?」

我に返った。

「坂野!」
「はいっ?」

八尾が、がっしと葉月の肩を掴み頬をほんのり染めながら焦って距離を詰めた。

「前とか、後ろとか、そのっ、ち、違うんだ。」

別に、葉月を前からナニしたいとか後ろから挿れたいとか、そういう願望を口にしたわけではないのだ。いや、まるきり口にしたのだが、そんな願望を葉月と楽しく会話するなど、まだまだ自分たちには早い。いずれする。だが、まだ早い。そんなことくらい八尾にだって分かっている。そんなことを先走り、 じゃない、口走って葉月に嫌われたくは無い。

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いろいろあって変態すぎてボツになり、拍手小話で似たような流れを採用しました。でも、よく考えたら指舐めるのも大概変態です。

■三羽 (ベルゼビュート)
30歳課長補佐
海外帰国組エリート3人衆の一人。実は魔界の将軍で騎士団を統一している偉い人。嵐雨の王ベルゼビュートと呼ばれている。強面、無口、重低音の声にガチムチ系…という、絶対何人か殺っているだろうという容貌だが、女性には寡黙で真面目な態度のため、その気がなくても常にタラしこんでいる。戦場では敵無しの将軍だが、普段は植物の研究が大好きな理系男。魔族としての姿は、薄い虫のような羽に、手が4本。
※最後の最後で、アスティルトと依子の三角関係勃発で作者ニヤニヤ。名前の由来はもちろん、蝿の王ベルゼブブ。読み方はコラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』より「ベルゼビュート」としました。ただし、力の源や使い方は、地獄の最高君主ベルゼブブ…というよりも豊穣の神バアルのイメージです。日本語名の由来は結構適当、虫→羽→三羽、みたいな。
アスティルトとの関係設定はあるものの、魔王様の話のおまけにしては大変冗長なものなので省きました。また何か光臨したら投稿したいと思います。

こんなプロットが残っていました。

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人間の女に花を贈る…というのは、確かに特別な意味があるらしい。どこの花屋で花を買っても、「誰かにあげるのか」「女性ですか」などと必ず聞かれる。先日は、魔王ルチーフェロが妻になったばかりの葉月に花を贈っていた。その夜は随分と魔力が高鳴っていたから、よい効果をもたらしたのだろう。

「花を贈る、か。」

ベルゼビュートの周囲には、女が居ないわけではない。ベルゼビュートは魔族である上に将軍職、レヴィアタンのように愛とか恋とかに詳しいわけでもない。それでも、無骨な男を好む女もいるのか、魔族であっても人間であっても言い寄ってくる者はあった。しかし、そのどれもベルゼビュートは側に置いていない。面倒というのもある。取扱が分からない、というのも大きい。戦いの場に不要であるし、ただ、女の肌が嫌いというわけではない。普段が物静かな分、一度高鳴ればその欲望はとどまることを知らない。

つまり面倒な男であることは自覚していたが、その面倒な気性をよく知る魔族の女ならば1人あった。

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ベルゼビュートめ…。

■一尋 (レヴィアタン)
29歳チームリーダー
海外帰国組エリート3人衆の一人。魔界においては魔王の侍従で大海蛇のレヴィアタンと呼ばれている。魔王よりも年下。魔族としての姿は青い鱗とそれよりも濃い青の髪(巻き毛仕様)。見た目はとってもかわいい天使の笑顔と、腹黒発言の安定感。女子社員には一番人気。子供が苦手だけど葉月の娘ちゃんは大好き。
※などと言いながら、最後の最後でロリコン疑惑が。違うんだ、違うんだよ、光源氏イメージなんだよ!って思ってから、ああそういや光源氏もロリコンイメージだったなって思って、ロリコンって事に落ち着きました。でも大丈夫。沙奈が16歳になってから口説き始めるので、本懐遂げるのは18歳くらいじゃないでしょうか多分。名前の由来はそのまんま「レヴィアタン」もしくは「リヴァイアサン」。日本語名の由来は、因幡の白兎に出てくる鰐「 一尋和邇」から取りました。

■芹沢亜紀
葉月の同僚で、一番の親友。

■山下
葉月の後輩。日記を付けるのが習慣だが、たまにサボる。

※芹沢さんと山下クン。姐さん気質の先輩と子犬属性の後輩。いい具合にいい感じになればいいのに!

■那田
葉月が昔関わったプロジェクトの第3期リーダー。葉月に無体を働こうとして八尾が激怒。
※すっかり忘れられている那田ですが、名前の由来は「櫛名田比売(くしなだひめ)」で、「なだ」。…というわけで、当初の設定ではなんと女性でした。八尾に言い寄る敏腕女課長という設定。話長くなってきて書ききれなくなった上に、なんど練り直しても葉月の敵になり得ず、誤解を生む前にルチーフェロが容赦無く牙を向くので、断念しました。

■賀山
魔界の料理人菓子部門ダーガンが人間界で開店したケーキ屋のバイト。前のバイト先で葉月を見かけてちょっぴり恋心を抱くも、再会5秒後に玉砕した。うっかり魔界関係のお店にバイトとして雇われたばっかりに、憧れの人葉月と八尾がいちゃいちゃする姿を、毎度毎度砂糖吐く勢いで見せつけられている不幸な子。依子とは幼馴染。
※名前の由来は天香具山(あまのかぐやま)から取って「かやま」

■依子
三羽行きつけの花屋の娘さん。三羽に憧れを抱くも、トルコキキョウの人を目の当たりにして失恋。その後は、いい女になってやるんじゃーーー!!と奮起して、若くていい腕のフラワーアレンジメント作家になると思います。
※名前の由来は『日本書紀』の「玉依姫」(玉依毘売命)から。

■アスティルト(暁月)
ベルゼビュートの部下。公私共に常に一緒にいるけど、無言の関係。部署が変わった後の葉月の上司として人間界に派遣された。
※名前の由来は「アスタロト」→エジプトの豊穣の神「アースティルティト」から適当にもじり。バアル(ベルゼビュートね)の妹であり妻に、アシュトレト…という女神が登場するらしく、要するにそこから名前を取りました。

※実はベルゼの話には、アスティルトの話と依子の話、2つのネタがありました(設定的にはアスティルト一択だったんですが)。依子ちゃん、人気でしたが、やはりベルゼビュートという魔界一の将軍の嫁にするにはまだまだ女が足りないかな…と。でも、アスティルトとベルゼビュートの話は可愛げもなけりゃ色気もないし長いので、前からネタとしてはあった依子の初恋…を引き出したわけでございます。

■シャイターン
魔界の宰相。蛇の王シャイターンと呼ばれる、魔界にて3代の魔王に仕える、魔界でもっとも長命でもっとも狡猾な魔族。ルチーフェロと葉月と沙奈が大好きなおじいちゃん。実質的な魔界の支配者。人間界の最近のモードにも詳しく、沙奈が出来てからは人間界の子供事情にも詳しくなっていると思われる。
※名前の由来はもちろん、悪魔「サタン」。アラビア語で「シャイターン」です。老紳士なイメージで。手には杖(もちろんご老人用の)。品のいいスリーピースのスーツ。文字を読むときは老眼鏡。笑い声は「ふおふお」口癖は「ふむふむ」 爺さん萌え! でも、怒らせるとルチーフェロや某悪魔よりも怖く、えげつなくキレる設定です。

■グレーモリー
魔王城の侍女頭。魔王城で働く女達の全てを管轄している。魔王城の政治を支配するのがシャイターンならば、魔王城の私事を支配するのはグレーモリーさん。いつか葉月に大胆なドレスを着せたいともくろんでいる。
※「今、グレーモリーさんの中で流行中なのはアオザイ。ウエストよりも上にあるスリットから覗く腹チラとパンツとの三角地帯が絶対領域。」とかだったらいいなあ。名前の由来は、「グレモリー」という悪魔から。

■八尾沙奈 (サーナリオン)
魔王ルチーフェロと妃葉月の間に生まれた第1子。最後の最後で割と性質の悪い魔族に惚れられていましたが、15年後にはきっといい女になっていると思います。
※一尋のところにも書きましたが、彼の恋愛を考えたときにね、ぱっと思い浮かんだのが「光源氏」だったんですよね。目を付けた女の子を自分好みに仕込んでいくっていう。そのターゲットが魔王の娘さんなんだから、そこは相当度胸があるというか…。ちなみに沙奈はとても可愛い元気な子に育つと思います。おまけに美人。優良物件ですが生後1年で唾付けられてしまいました。その後の話は、また何か思いついたら別の小説で描くかもです。


ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます!
もともとオフィスラブものを書いてみたかったのですが、どうも現代ものは苦手でして…。苦手なら得意ジャンルで描けばいいじゃん!…って思って、魔王設定を絡めました。魔王攻略…好きなんですよね。で、もともとあった魔界の設定…というか、別の界の設定をちらちらと盛り込んでおりまして、実は話の長さの割に設定てんこもりです。設定や名前には、旧約聖書や古事記、日本書紀などを参考にしましたが、特に、魔族の階位や役割なんかはほとんどデタラメです。ちなみに参考資料はコラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』