付録

[設定編] 登場人物など(ネタバレあり)

登場人物の紹介と作者の勝手メモを置いておきます。
完全にネタバレしておりますので、[最終話]まで読んだ方のみご覧ください。
読みにくいかもしれませんが、本編ではない、あくまでも付録……ということでご容赦を。


[登場人物]

登場順に記載(多分)
[最終話]まで到達した方のみご覧くださいませ。
年齢を本編ではあまり出していませんでしたが、設定はありましたので、記載してみます。イメージに注意。

※は、設定メモに残されていた謎の言葉や作者の感想、そしてボツネタなどを記載しております。

■ピウニー卿 (ピウニーア・アルザス)(32歳)
魔法剣が得意な竜殺しの騎士。ただし外見はキンクマハムスター。
薄金色の髪(毛並み)に、黒に近いこげ茶色の瞳。
最初の登場が全裸だったのは不可抗力であって、別に変態ではない。
所属は親衛隊で、王命によって各地を旅していた。
無精髭。騎士だから体格がいい。
※最初は真面目な朴念仁というイメージだったんですけど、割と人目を憚らず(ネズミの時は)イチャイチャしてるような気が……。最初のころは、年齢が上っぽい話し方をしていたのですが、だんだんと若い感じになってきてしまい、すこし反省。
名前は、語感だけで決めました。そもそも「ピウニー卿」(卿までが呼び名)って呼びたかった。

■サティ(サティ・イェーシェ・アニャケトゥス)(22、3歳くらい)
古代魔法をも操る魔法使い。ただし外見は猫のシンガプーラ。
セピア色の髪(毛並み)に、グリーンの瞳。
親兄弟はおらず、田舎の小さな教会で育てられた。5歳くらいのときに理の賢者の弟子になる。
「イェーシェ・アニャケトゥス」という名前は理の賢者が付けてくれたもの。意味は、古代魔法語で「善い人生を送れるように」
※もっと偉大な女魔法使い……!というイメージだったんですけど、なんだかものすごく可愛いげのあるヒロインに。猫になっていても言葉は人間なので、「にゃー」というのは、あくまで人間が猫の真似をしている……という体です。つまり、サティが「にゃーん」って……。
名前の由来は、「エリック・アルフレッド・レスリ・サティ」の「サティ」から。

※2人について
2人の変化の魔力は遺伝するのか……という疑問が、意外と多くてびっくりしました。考えて……無いよ!(本当に)
自分の魔力になってしまってはいますが、他からの移植みたいなものなので、恐らく遺伝はしないはずです。
今回、この登場人物紹介を書くにあたり、すべての設定メモを読んでみたのですが、2人の変化の魔力について「自在に変化できる=自在に全裸になれる」……という謎の言葉が書かれてありました。

***********

<ボツネタ>※剣の賢者にピウニー卿の若い頃の話を聞く……というくだりがありましたがボツになりました。(「019.別の存在」にて)

<ピウニー卿って今何歳?>

「15年前っていうと……、ピウ、今、何歳?」

「……もういいだろう」

そういえば、ピウニー卿の年齢をはっきり訊いた事のなかったサティは素朴な疑問を口にした。なんとなく誤魔化すピウニー卿と、きょとんとしているサティを見比べて、剣の賢者は、ニッ……と笑う。

「32歳とか、それくらいじゃないか?」

「えっ」

「何が、えっ、だ、何が」

サティの予測よりは、意外と若かった。いつ見ても無精髭だし、っていうか髭だし。旅装があまりに似合いすぎて、騎士っていうよりこなれた旅の戦士って感じだし。その癖、妙に達観しているというか落ち着きがあるというか、声渋いし。40代近いのかと思っていた。……だが、40代近いにしてはやっぱり落ち着きが無さすぎるか。サティはピウニー卿を改めて観察する。そうか。大体ネズミの姿だったから、年齢不詳だったんだな。

***********

■理の賢者(年齢不詳)
サティの師匠。サティより魔法が使えるけど、世の中にあまり関わっていない。
長いお髭のおじいさん。
世の中のいろんなことを知っている。
秘蔵の恋愛小説コレクションがある。
※どこからどこまで黒幕なのかはっきりしない。恋愛小説コレクションには、あんな小説やこんな小説も……! ちなみにサティやプリムベルの恋愛のお作法は、師匠の恋愛小説コレクションから学んだもの。

■セラフィーナ・ヴィルレー(7歳)
ヴィルレー公爵令嬢。薄い赤金色の髪に、グレーの瞳。
王子様と、今はまだよきお友達。
拾ったサティをこっそりつれて王子様のお見舞いに行く。

■アンヘル・ヴィルレー(35歳)
セラフィーナの父。
公爵という地位にあり、人格者ではあるが野心が無い。
現在は、王子の学術指南役というひっそりとした地位に着いている。
後に、バジリウスの推挙と王に請われたことにより、宰相の地位へ。
※宮廷の争いを逃れて王太子の学術指南役……と言ったんですが、次代の王の教育を任されていたり、セラフィーナを王太子に会わせたり、よくよく考えたら全然宮廷争い逃れていないし、権力真っ只中だよな……と思っていたのは秘密です。アンヘルとペルセニーアの恋模様については……2人ともいい年齢で、アンヘルは子持ちなので、じわじわゆっくり穏やかに進んでいくかと思います。

■パヴェニーア・アルザス(30歳)
ピウニー卿の弟で、現アルザス伯爵家当主。
茶色が交じった濃い金髪、こげ茶色の瞳。オリアーブ国白翼騎士団団長。
アルザス家は代々続く騎士の家系。
クマみたいな厳つい顔だが、ピウニー卿には頭が上がらない。
周囲がドン引きするほどの愛妻家。アルザス家は代々愛妻家が多いことでも有名。
夫婦そろってかわいいものが大好きなので、変化したピウニー卿とサティにメロメロ。それ以上に嫁にメロメロ。
※メモを見たら、「甘党」というどうでもいい設定が残っていました。当初はもっとしっかりした人でしたが、どんどんテンション高いモフモフ好きの変態になってしまい、特にカッコイイ見せ場を作れず……。ピウニー卿事件のすぐ後、子供が出来ました。よかったね!
完全にボツになった流れの中に、
「こ……こんなに可愛いのに、兄上のはずがないではないか、……兄上の声をたばかるお前は何者だ!……か、可愛い姿をしおって!」
……などという台詞もありました。

■ペルセニーア・アルザス(27歳)
ピウニー卿の妹。
光の加減によっては金髪に見える、つやのある薄い茶色の髪。琥珀色の瞳。
オリアーブ黒翼騎士団の団員で、ジョシュの護衛騎士。
上品な立ち居振る舞いと強さが人気の女性だが、真面目すぎて男っ気がないのが悩みの種。
王子付きの護衛。公爵令嬢が来たときの世話係。公爵令嬢の憧れの人。
ピウニー卿の件の後、ヴィルレー公爵と恋仲に。
※これもボツになった流れですが、人間に戻った直後に裸でサティの上に乗っているピウニー卿を見たペルセニーアが、「これが落ち着いていられるかーーーー!!」……と叫んで、ピウニー卿の顔に拳を入れる、というシーンがあったりしました。

■セシル・アルザス(27歳)
パヴェニーアの奥さん。
厳ついクマのようなパヴェニーアと並ぶとまさに美女と野獣という言葉が似合う。
緩やかにウェーブした綺麗な栗色の髪をした、細身の可愛らしい人。
パヴェニーアに負けないくらいのかわいいものが好き。
※例の高級ぬいぐるみ屋さんが、2人の出会いの場だった……という、裏設定があります。

■ジョシュ・オリアーブ(12歳)
オリアーブ王国の王太子。
青紫色の瞳、黒褐色の髪
宰相に魔力抑制の呪いを掛けられていた。若いけれどとても才気溢れる男の子。
人間のサティを見たらそわそわする。
理の賢者に匹敵する、もしくは超える魔力を持つ。
※小話の中では、ジョシュ殿下のが一番好きだったりします。

■ヴェルレーン・サテュルニア(25歳)
白翼騎士団に所属。女の人が大好きで、ストレートに「綺麗」を連呼し、それが決して嫌味にならずむしろ人懐こい印象を与えてしまう生粋のチャラ男。チャラいのは外見と言動で、意外と有能で打たれ強い。
振られてもめげないし、もげないという特性がある。
実はピウニー卿のその後を調査するという王命を受けた騎士。
猫アレルギーのため、サティに近づくとくしゃみが出る。
蜂蜜色の髪に、薄い茶色の瞳。垂れ目。
※いい子なんですよ、本当は。ただ、綺麗な女の人を見ると爽やかな笑顔で優しく「綺麗ですね」って言っちゃうだけで。相当何回も頭部を打ち付けていたので、頭が大丈夫かとちょっと心配。あと、本当にモテ男でチャラ男なのかという疑惑が。

■ジェレシス・オリアーブ(40歳)
オリアーブ王国の国王。青紫色の瞳。
オリアーブ国で一番偉い人だが、息子に対してはちょっぴり弱気な一面も。
先代が武の王と呼ばれるのに対し、賢の王、と呼ばれる。
※一番不思議なのは、ヴェルレーンをピウニー卿探索に登用した王様の懐の深さ。さすが王様というべきか、国内には有能な人ばかりが集まっているので、恐らく人望は一番篤いはず。

■シャドウメア
ピウニー卿の愛馬。青毛。賢く優しい馬で、ピウニー卿とサティ以外には懐かない。だけど目付きが悪くて怖い。猫とネズミになった2人が馬に乗るときは、わざわざ鼻面を地面にまで下げてくれるほど物事の道理を把握しており、2人が変身するタイミングもきちんと心得ている。
※シャドウメア、というのは、実は私の好きなゲームに出てくる不死身の馬の名前です。

■杖の賢者
とても偉大な杖を作る人。杖魔法の研究をしている。細目。
背が高くて体格のいい、寡黙な男、というかしゃべらない。剣の賢者と夫婦。
※杖の賢者は、ラグビー選手みたいなイメージ。外見年齢は、杖・剣の2人とも38歳~42歳くらい。

■剣の賢者
とても強い魔法剣士。魔法剣の研究をしている。
男装の麗人。杖の賢者と夫婦。背が高くて大柄。剣の賢者として最初に作った剣が、ピウニー卿の剣。
※最初に登場したときの剣の賢者のキックは、いわゆるヤ……じゃない、ケンカキック!

■魔竜 マハ・マハジューレ
本名は、ウィロー・ナ・ムラン・イアディ = フロット・フォン・ド・ラーゲ・ベネカ・イェズ・マーレ・マハ・マハジューレ。
かつてピウニー卿と戦って破れた竜。実は善良な竜で雌。
呪いを掛けられ、その苦しみのあまり周辺の村に炎を吐いていた。
死の際に断末魔の咆哮をあげて、自力で呪いを解呪。その時に飛散した呪いによって、ピウニー卿がネズミの姿になる。
死の瞬間ピウニー卿の剣に宿り、剣が吸った血と残留した魔力によって復活する。
後にグラネク山に登ってきたラディゲと夫婦になる。人型になった場合は黒い髪に金色の瞳。
※魔竜とラディゲのカップルは、最初から決めていました。人外の男攻めっていうのはよく見かけますが、人外の女攻めっていうのは、なかなか女性ものでは見かけないからたまにはいいかな……と。

■ラディゲ・ラファイエット(32歳)
黒翼騎士団に所属。黒い髪に黒い瞳。
かつてピウニー卿と共に竜を倒した同僚。
ピウニー卿に対してライバル心をかなり燃やしていた。
竜を倒したあと、ピウニー卿のみが美談になったことに苛立ちを覚える。
その後、思い出の地グラネク山にて魔竜と夫婦になった。
ピウニー卿の件の後、魔竜と共に魔物を不安定化させてしまう魔力の研究に協力。
※こう見えても、騎士道と正義を貫く男前。女子供には優しく、がモットー。その割に魔竜に誘惑されてる辺りがなんとも。もうちょっと本編でアレコレさせてあげればよかったかなあと反省。

■ヒューリオン (26歳くらい)
かつてサティと戦って破れた魔法使い。
オリアーブ国宰相バジリウスの弟子。
サティに呪いの一部を弾き返され、オコジョの姿になっている。
※超初期のメモに、ヒューリオン(オコジョ)がピウニー卿 (ネズミ)を誘惑するという訳の分からないものが……。

■バジリウス・ユーク(バジリウス・イルスーク・イラ・エドゥ・ユーク)(45歳くらい)
宰相。かつての理の賢者の弟子。その力を国のために役立てたいと、賢者の元を去る。去るときに与えられた魔法名が<イルスーク・イラ・エドゥ・ユーク>
ジョシュを死なせないために魔力抑制の魔法をかけ、国力強化のために魔竜の理性を狂わせた。
※バジリウスは、もし理の賢者の元を去らなかったら、普通にサティのいい兄弟子だったんだろうなーと思う程度には、興味深い人物です。ヒューリオンとその後どうなったか……というのはご想像にお任せします。

■プリムベル(20歳くらい)
理の賢者の娘さん。かわいい眼鏡の女の子。
魔法オタク。サティのことが大好きで、ピウニー卿はライバル。
実戦向きの魔法は得意ではない。青褐色の不思議な髪の色。
※ピウニー卿がサティに不埒な考えを抱くと、プリムレーダーが働くに違いない。理の賢者の奥方が気になる? 私も気になります!