「ね、え……ピウニー、やっぱり……すごく……太くて……」
「くっ……おい、サティ……咥えるのはやめろっ……」
「……ぅん……」
「……待てっ……」
「どうしてこんなに……? ほら、私の口には入らないよ……」
「それは……お、お前が……」
「私が、何……?……ねえ、私、前までちゃんと咥えられてたよね……?」
「そうだな……」
「……ね、どうしてこんなに、……咥えられないくらいになったの?ピウニー……」
「そんな顔をするな……その、お前があまりにも……可愛くて……」
それは、サティが可愛くおねだりしすぎて、毎日ご飯が大漁だから。
ついついたくさん食べてしまうピウニー卿は、最近お腹周りがちょっぴりふとましい。
咄嗟のときに咥えて運ぶことができなくなったサティは、大層困っていた。
「ほらー、やっぱりお腹太くなってるじゃない」
「ネズミだからだ。人間に戻ったときは変わってないではないか!」
「ふうん?」
「そんな顔するな」
「別に」
サティは意地悪い半眼で、ピウニー卿の腹周りをぱくりと咥えるポーズをしてみせた。
「ほら全然口に入らなーい」
「なにっ、……もう一度やってみろ」
「いいわよ。……ん……」
サティはピウニー卿を咥えてみる。だが、あまり上手に咥えることはできず。すぐにぽとりと落とした。
「へ。変なところにさわっ……うぐっ」
ぽとりと落とした衝撃で、ピウニー卿が呻く。
「ほら。変なところには触ってないわよ、失礼ね。……ピウニーが太くて口に入らないのが悪いんだもん」
ふふーんとサティはシッポを揺らした。
「サティ、今の台詞をもう1回……」
「何の話よ」
「い、いや……」
さあ、みんなも声を合わせて!
がんばれ!ピウニー卿!!